希望の条件を整理しておくことが大切
入居までにやっておくこと
有料老人ホームに入居することを決めたら、自分に合った施設の選び方ができるよう条件を整理しておきましょう。条件面についてリストアップし、「絶対条件」「優先条件」「優先度が低い条件」の順番で優先順位をつけてみると、ライフスタイルに合う有料老人ホームを探しやすくなります。次に、なぜ有料老人ホームに入居するのかを考えてみましょう。「手厚い介護サービスを受けながら生活したいから」「多くの仲間に囲まれながら楽しい毎日を過ごしたいから」「自立した生活が困難になってきたから」など、人によって理由はそれぞれ異なることでしょう。有料老人ホームに入居したい理由を明確にすると、施設に求めたい自分なりの希望条件も明確になってきます。
性格やライフスタイルについて考える
高齢者にとって、住み慣れた環境を離れて施設で新たな生活を始めるということは、決して簡単なことではありません。施設に移り住んでから充実した生活を送るためには、自分自身の性格やこれまでのライフスタイル、趣味などのあり方についてじっくりと考えてみる必要があります。住む環境が変わったからといってすべての習慣をリセットするのではなく、続けられることは引き続き続けられるような環境の施設を探しましょう。高齢者が心健やかに生活していくためには、生きがいを持つことが大切です。この点を無視して費用などの条件だけで施設を決定してしまうと、入居してから後悔することになりかねません。
ゲートボールなどの活動に積極的に参加するタイプなら、老人ホーム内や地域で行われている活動があるかチェックします。集団で何かを行うよりも1人の時間を好むタイプなら、プライベート空間がどの程度確保できるのかや共有スペースなどについてチェックします。お酒やタバコなど、長年続けてきた習慣があるなら、集団のなかでルールを守りながら生活していくことについてよく考えておく必要もあるでしょう。わずかな不安でも残すと後悔のもとになってしまうので、不安なことや心配なことがあればそれもリストアップしてみましょう。夫婦で入居する場合には、どちらか一方の意見ではなく2人の意見をよくすり合わせておくことも大切です。
老人ホームを選ぶ
条件の優先順位やライフスタイルなどについて自分なりの考えがまとまったら、次は老人ホームのタイプを選択しましょう。介護付、住宅型、健康型の中から最も希望に合う施設のタイプを選択するにあたってのポイントは、要介護者向けか自立した生活を送れる高齢者向けかという点です。すぐに入居したくてもできない状態であることも多いので、なるべく早めに準備をはじめておくことが大切です。認知症や糖尿病など持病がある場合には、医療行為が可能な施設かどうかも確認する必要があります。